Light and color

好きなゲームとか落書きとか。

小説「舟を編む」の感想

ドラマが始まったのをきっかけに、読みたい本だったことを思い出した。

 

ドラマ1話を読んでから小説を読んだ。

まじめが主人公かと思っていたけど、章が変わるごとにまじめ→西岡→岸辺と主観が変わるので、同じ辞書づくりに対してもそれぞれの人物の捉え方が違って、時間が経つにつれてまじめの影響を受けてみんな熱心になってく過程がおもしろかった。

 

あと、西岡と岸辺のまじめへのつっこみとか(直接だったり内心だったり)。

 

紙へのこだわりの部分は、自分は文房具としての紙は好きでいろいろかき心地にこだわっていたこともあったので、紙の厚みや裏写りの説明についてはすぐわかったが、辞書として最適な紙のぬめり感については初めて知った。それを語るシーンは状況が目に浮かぶようだった。気にしてなかったので手持ちの辞書を触ってみたくなった。

 

→触ってみた。紙の辞書はあんまり手元にない。国語辞書は岩波国語辞書しかないや。あと、英和、英英。

英和は国語辞書出してない出版社、英英は洋書。たしかに国産の辞書は紙の色が黄色みがかっててあたたかみがある。洋書は辞書向けに薄い紙を使用しているが薄いだけという感じ。

岩波が1番触り心地とかめくりやすさがよかった。国語辞書がほかにないから程度はわかんないけど。

 

あとは、「めれん」という単語について、ご存じなければ辞書で調べてみてというやりとりがあり、ためしに自分の手元の辞書を引くものっていない。物書堂の辞書アプリで大辞泉を買ってしまった(大辞泉プラスもくっついてきて、謎の固有名詞の詳しさ。ドラクエの固有名詞も載ってるとのことで引いたらたしかに魔法の名前も載ってるし、各ナンバリングタイトルがどのハードに移植されたかまで書かれてた)。

こんな単語、日常で使わないしふつうに話せばいいのに、と思ったら、その後同じツッコミを登場人物がしていた。

 

最後は、なんだかいい終わりで…と思ったところに、まじめの恋文全文公開がぶち込まれ、西岡と岸辺のツッコミが併記されてるところがよかったですね。

これもらってもどうしたらいいのかわからない気持ちが共有できたのと、結局中略されるほど長いっていうところとか。

 

で、ドラマ1話目のエピソードにあたる部分は原作ではほぼなくて(同じ部分は1行程度ですまされている気がする)、岸辺みどり視点で話を膨らませていくようなのでどんな感じか楽しみになった。